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「バレンタインデー」の由来と日本の習慣
2月(如月)
 

「バレンタインデー」の由来と日本の習慣

今やすっかりおなじみの恒例行事と化したバレンタインデーですが、その名前からも察することができるように、他の年間行事よりも比較的近年に導入された欧米発祥のイベントです。日本では女性が男性にチョコレートを贈って想いを伝える日として定着し、バレンタインデーにまつわる男女の悲喜こもごものドラマは、クリスマス・イブにならんで例年の風物詩といえるかもしれません。そんなバレンタインデーの由来や日本への定着、贈答のマナーの観点からみた贈り方まで紹介していますので、参考にしてみてください。

バレンタインデーの由来

殉教者ヴァレンティヌスにちなむバレンタインデー

3世紀頃、ローマ帝国で活動していたヴァレンティヌス(バレンタインのこと)というキリスト教の司祭が殉教したことに、バレンタインデーは由来していると伝えられています。当時のローマ皇帝は、兵士達が結婚して家族をもつと士気が下がり弱卒化するのではないかと懸念し、兵士達の結婚を禁じたといいます。それにも関わらず、ヴァレンティヌスは兵士達の結婚式をあげていたため、皇帝の怒りを買って処刑されてしまいました。そのヴァレティヌスが殉教した2月14日はカトリックの祭日となり、中世になると、その日に男女の間で愛を告白するカードを贈る習慣が生まれたという説が一番有名でしょう。
もっとも、その時期に殉教したヴァレンティヌスという名の人達が複数おり、それらの活動の伝承がひとつになったと考えられています。また、中世に入るまではヴァレンティヌスと恋人達が結びつけて語られることはなく、中世のカードを贈るという行為には、ルペルカリア祭という古代ローマの豊作を祝うお祭りで、女性が男性に想いを綴った手紙を渡した習慣との関連性も唱えられています(男性から女性ではないでしょうか?)。加えて、キリスト教の世界は大別すると、西方のカトリックと東方の正教会に分かれていますが、カトリック圏で伝えられた慣習でした。

日本へ伝播し、恒例行事化したバレンタインデー

ヴァレンティヌスが殉教した日(以降、バレンタインデー)に想いをしたためたカードを贈り合う中世の習慣は、時代と大西洋を越えてアメリカへ広がりさらに昭和の日本にも伝わってきたようです。現時点で確認できる日本での一番古いバレンタインデーの広告は、昭和11年にモロゾフが外国人向け英字新聞に出したものです。この時既に、バレンタインデーはチョコレートと紐付けされていたという例でもあります。
さらに、昭和33年にはメリーチョコレートカムパニーが「バレンタインデーにはチョコレート」と提案したのがきっかけになり、他の製菓会社もこぞって「バレンタインデーに気持ちを伝える贈り物にはチョコレートを」という宣伝をするようになりました。この販売戦略が功を奏したのか、やがて昭和50年あたりになると、全国的にバレンタインデーにはチョコレートを贈るといった光景が見られるようになったといいます。また同時期に、バレンタインデーは女性が男性にチョコレートを贈って愛を告白する日という認識も定着しました。

日本でのバレンタインデーの慣習

女性から贈る日本独自のバレンタインデーの風習

意中の男性へ、一方的に想いを伝えることができる手段として大流行したバレンタインデーですが、海外では必ずしも女性が男性に贈り物をする日ではないようです。同じく、贈る物が主にチョコレートというのも先述のように日本独自の事情によります。
さらに、好きな人へチョコレートの贈り物をする習慣から、まったく意識もしないクラスの友人や職場の同僚上司へも渡されるという、俗に言う義理チョコの習慣も派生しました。これは日本に元からある職場内での贈答習慣が影響しているようです。また近年では、女性同士でチョコを贈り合う「友チョコ」なる風習や、自分へのご褒美としてチョコレートを買うなどといった、新しい習慣も生まれている様です。これらの様に、バレンタインデーにチョコレートを贈るという習慣も、時代により様々な形態を見せているようです。
日本独自の慣習と言えば、ホワイトデーの存在も見逃せません。バレンタインデーにチョコレートをもらった男性が、女性にお返しをする日として広く認識されているホワイトデーですが、こうした日が作られたのには、義理チョコの存在があると推察されています。いただいたものには返礼をしなければならないという贈与にまつわる人間の心理から、男性には義理でもらったチョコレートのお礼をする機会を、翌月の14日に与えられています。日本人とは何とも義理堅く、律儀な人種なのかという事実がわかりますね。

バレンタインデーの贈り物はチョコレートでないとダメ?

元々欧米にあった風習に倣うのなら、バレンタインデーに贈るのはカードということになります。現状の日本でも本命へ贈るのはチョコレートだけでなく、手紙や季節柄ニット製品などを添えるケースが多いでしょう。既に恋人や夫婦の関係であるのなら、時計や貴金属のアクセサリーのような高級なものも贈りものとしていいかもしれません。そのほかに財布や名刺入れ、パスケース、手袋といった革製品や、普段スーツを着る相手ならネクタイやビジネスバッグなども喜ばれるでしょう。

バレンタインデーで注意したいこと

前に義理チョコの風習について触れましたが、昨今の労働環境に対する意識の変化から、バレンタインデーとホワイトデーのどちらとも、女性と男性、それぞれへのハラスメントになるのでは? といった可能性を指摘する声もあります。つまり、女性もしくは男性だからという理由で贈り物を強いられる傾向が問題視されるということです。そのため、職場でチョコレートを配る際には、会社や部署の方針や考え方を事前に把握しておいた方がよいかもしれません。
せっかくのイベントですから、贈る側も贈られる側も気遣いを忘れずに、お互い気持ちよく過ごせるようにありたいものです。