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『通夜祭』と「通夜」って何が違うの?
お通夜
 
通夜祭
 

『通夜祭』と「通夜」って何が違うの?

誰かが亡くなった際に執り行われる「お通夜」。言わずとしれて、お葬式前に故人と最後のお別れをする儀式のことです。しかしこれは、仏式の行事となります。ご存知のように、仏教はインドを発祥とする宗教であり、我が国独自の宗教である「神道(しんとう)」においても通夜と同義の行事があり、それを「通夜祭」と呼びます。ここでは「通夜祭」の詳細やマナーについて紹介していきたいと思います。

「通夜祭」とはどんな行事か?

「通夜祭」の流れについて

仏式における「通夜」を、神道では「通夜祭」と呼びます。名前が似ていることからわかるように、意味や内容についても酷似していますが、若干違う点があるので紹介していきましょう。まず、神道における御弔いの儀式である「通夜祭」は、自宅や葬儀会場などで執り行われます。そして、通夜祭の司会役を担当するのは神官で、進行役を斎員に任せます。式の流れは以下のようになります。

●手水の儀・・・通夜祭の前に手を清めます。入り口に準備されている手桶を使い、柄杓で水を汲み、左手→右手の順に水をかけて手を清めます。そして水を手に取り口をすすぎ、懐紙を使って手と口を拭きましょう。

●玉串奉奠(たまぐしほうてん)・・・神式では焼香を行わず、代わりに玉串奉奠を行います。まず玉串を神前に捧げ、礼拝します。そして神職と遺族に一礼してから玉串を両手で受け取り、お供えします。供えたら遺影に向かって二拝・二拍手・一拝で拝礼する流れになりますが、注意しなければならないのは、最後の拝礼時。音を立てぬよう、静かにかしわ手を打ちます。それを「しのび手」を言います。ちなみに、「玉串」とは榊の枝に紙垂(しで)という白い紙片を付けたもの。それを祭壇に捧げて祈ります。

●直会(なおらい)・・・いわゆる通夜振る舞いのこと。会食の席を勧められたら出席し、そこで故人との思い出話を語り合いましょう。酒席の場とは言え、長居することなく、迷惑をかけない程度の時間で切り上げて席を立つのが一般的です。

なぜ神社で行われないのか?

神道における葬儀は、どれも神社で行われることはありません。なぜなら、仏式の場合、葬儀は故人を極楽浄土に送るために行われますが、神道では故人を家に留め、守護神とするために行われるからに他なりません。さらに、神道において死は穢れ(けがれ)であるとされていて、神社の様な聖域に持ち込むことはよくないとされている理由もあります。ちなみに、通夜祭は神葬祭の1日目の最初に行われる儀式で、そのあとは続けて「遷霊祭」が行われます。遷霊祭とは、神職によって故人の御霊を霊璽(れいじ)に移す儀式です。そして以降となる神葬祭2日目は、葬場祭→火葬祭→埋葬祭→帰家祭(きかさい)の流れで進みます。葬場祭とはつまり仏式で言う「葬儀・告別式」にあたり、火葬祭は文字通り「火葬」する儀式、そして埋葬祭は遺骨を墓に納め、それらが終わると自宅へ戻り神葬祭が終わったことを霊前に報告して完了となります。ちなみに、前記した「直会」は、この後に行われます。

「通夜祭」のマナーとは?

通夜祭で気をつけるべきことは?

神道の式では、仏式で使われる「数珠」は使わないので、くれぐれも所持しない様にしましょう。さらに、「冥福」、「成仏」、「供養」といった、仏教専門の用語も一切使いませんので、当日は口に出してしまわない様に気をつけましょう。伝える言葉としては、「御霊(みたま)のご平安をお祈りいたします」や「拝礼させていただきます」といった具合になります。

贈り物をする際の注意点

通夜に限らず神葬祭を執り行う遺族は、神官や神社、またはお手伝いいただいた方に贈り物をするのが一般的です。誰に何を贈るのかは、以下の通りです。

●通夜祭時の謝礼・・・遺族から神官へ、「御車料」として贈ります
●葬儀時の謝礼・・・遺族から神官へ、「御祭祀料」、「御祈祷料」、「御礼」として贈ります
●葬儀委員長・世話役への謝礼・・・遺族から葬儀委員長・世話役へ、「御礼」、「志」として贈ります
●受付係・お手伝いの方への謝礼・・・遺族から受付係・お手伝いの方へ、「御礼」として贈ります
●会食に参加しない受付係・お手伝いの方への謝礼・・・遺族から「御善料」、「御礼」として贈ります
●葬場祭に弔慰金を贈る・・・身内または身内以外から、「御霊前」、「玉串料」、「御榊料(おさかきりょう)」として贈ります
●葬場祭にお供え物を贈る・・・身内または身内以外から、「御供物」として贈ります
●通夜祭・葬場祭の志・・・遺族から志として、「偲び草」、「志」、「茶の子」として贈ります

ちなみに、世話役などの係員が公務として出席している場合は謝礼の受け取りを禁じていますので、お渡しすることのない様、気をつけてください。また、御霊前や玉串料、御榊料のお返しを贈る場合、通夜祭などではお印程度のものを手渡し、正式には忌明け法要後に贈るのが一般的です。贈るものには、タオルやお茶、さらには石鹸などの日用品、消耗品が選ばれやすいようです。