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世界でも珍しい祝日、山の日
八月(葉月)
 

世界でも珍しい祝日、山の日

日本といえば海に囲まれた島国で海の日という祝日がありますが、世界でも比較的山がちで、峻険(しゅんけん)な国土といわれる日本に相応しいかもしれない国民の祝日が山の日です。世界でも類を見ないといわれる山の日ができるまでの経緯や山の日の趣旨、そして山の日にはどのような行事が行われているのかをこのページで紹介しています。山の日のある時期は、お盆休みや夏休みをとる方も多いかと思われます。まとまった休みを利用して、何か山の日らしいことをするときの参考にしてみてください。

山の日とはどのような日?

山の日が国民の祝日になるまで

2016年から新たに追加された祝日が山の日です。国民の祝日に関する法律では、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」とされています。2000年代前半から山の日の制定へ向けての運動が起きていました。さらにさかのぼれば、海の日が祝日になった2年後の1997年以降、山梨県を皮切りに、岐阜県、群馬県、広島県、大阪府などの都道府県単位で次々と山の日が制定されていますから、山の日の祝日制定に向けた気運の高まりの源流はそのあたりからあったのかもしれません(山の日制定の提言自体は、1961年の富山県立山での登山大集会での「山の日をつくろう宣言」までさかのぼります)。さて、2010年には日本山岳協会など国内の山岳5団体が協力し、山の日制定評議会が設立されて、国会議員などへの働きかけが始まりました。その3年後には、衆参両議院、超党派の「山の日」制定議員連盟が発足され、さらに翌2014年には国会に「山の日」法案が提出可決され、2016年に施行されました。

山の日の日付の理由

山の日は、8月11日となっていますが、その理由には山を連想させる数字だからだといわれています。月の8は漢字で書くと「八」となり山のように見えるから、日の「11」は木が並んでいるように見えるからとされています。山の日が国民の祝日に制定される前に、各地の自治体が山の日をつくったときも、8月8日(山梨県、岐阜県)や11月11日(香川県、愛媛県)など、8や11の数字が使用されています。
また11月8日でもなく、8月8日でも11月11日でもなく、8月11日になったのは、お盆休みがすぐ間近にあって休みがとりやすいだろうという考えからだといわれています。
また国民の祝日が無い6月と8月のどちらかにという話では、夏休み中が多くの人に山に興味をもってもらえるということで、8月になったそうです。そのほかにも夏休み中で学校の授業日数に影響が出ないからという話もあります。

山の日の過ごし方

日本人と山のかかわりを山の日で再認識

日本に関して、島国とは内外からよくいわれることで、その結果、海を意識する方は多いかもしれません。しかし、翻って普段から仕事以外で山を意識するのは、登山やトレッキング、ハイキング、クライミングといった趣味を持つ方くらいでしょうか。また、余暇の過ごし方として海水浴のカジュアルさに比べると、山に関する趣味は、多少ハードルが高めなのは否めません。山岳地帯が国土に占める割合が約7割とそこそこ大きく、海の無い県はあっても、山の無い県はないくらいですま。ですが、このように身近な存在なのにも関わらず、お出かけ先としては海を選ぶ人が1.5倍〜2倍いるようです。
とはいうものの、日本人は古来から海と山の両方に深く関わってきています。記紀神話に載っている海幸彦と山幸彦の伝説からも、はるか遠い昔より日本人は海と山の両方の自然の恵みを享(う)けて過ごしてきたことが推察できるのではないでしょうか。また、少し堅い話になりますが、安全保障関連の話ではシーレーン(海上交通路)といった言葉もよく出てきます。それと同様に、土砂災害からの国土の保全や水源地の管理といった今日的な視点からも、山は密接に日本人の生活に関わっています。ですから、山の日という祝日の趣旨として「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」とうたわれているように、山の日を契機として、多くの人が山々に実際に触れる機会が得られたことは大変有意義なことではないでしょうか。

山の日のイベントに参加する

山の日には、先述の山の日制定評議会が、山の日記念全国大会というイベントを開催しています。第一回目は長野県で開催され、以降も開催地を変えて毎年イベントを開催しているようです。地元や近隣の都道府県で開催されるようなら、開催地の自治体が特に力を入れて通年で様々な関連イベントを開催しているでしょうから、興味をひかれるものがあれば参加してみてはいかがでしょうか。開催地以外でも山の日には各地で様々なイベントが開かれます。

個人的に山の日を楽しむ

自治体や団体が主催するイベントに参加することだけが、山に親しんで山への感謝の念を新たにすることにつながるわけでもないでしょう。近場の山を散策してみるのも良し、高原のペンションに避暑へ行くも良し、バードウォッチングに出かけてみるのも良し、カブトムシやクワガタムシを獲りに行くのも良し、山に親しむにしても様々なアプローチが考えられます。自分の興味がわく分野を通じて、山に親しむのが一番山の恩恵を感じられることでしょう。