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お盆手土産についても紹介! お盆の過ごし方は?
お盆
 

お盆手土産についても紹介! お盆の過ごし方は?

日本人は、目に見えないものに対しても崇敬の念を忘れません。そうした思いを連綿とつなげてきた行事のひとつがお盆です。
あの世から帰ってくるご先祖の霊を、お供え物のご馳走でもてなしたり、お祭りなどで歓待します。
お盆の正しい名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」というそうです。釈迦が誕生したインドの古いサンスクリット語の「ウラバンナ」が語源といわれています。
お盆にまつわるアレコレをまとめてみました。

日本古来の行事「お盆」

代表的な夏の風景

ご存知のようにお盆には、先祖の霊があの世から帰ってくるといわれています。お盆は、先祖の霊をもてなすための古来より根付いてきた風習です。
現代ではお盆は、仏教に由来した行事との考えが当たり前ですが、一説によると仏教伝来以前から、先祖を祀る神事が存在していたといいます。
仏教伝来を境に神仏が混ざり合い、神事の“先祖崇拝”から仏教の“先祖供養”へと色合いを強めていき「お盆」として今に至っているようです。
お盆が地域よって7月と8月に分かれているのは、明治5年に一年の日数が354日程度の太陰暦(旧暦)から太陽暦(新暦)に変わったことに所以しています。

新暦と旧暦

お盆の初日にオガラ(皮を剥いだ麻)を燃やした迎え火で先祖の霊を招き、最後の日には送り火で見送るというのが代表的なお盆の習わしとされていますが、現代ではそうした夏の風景はなかなか見かけられなくなってきています。
お盆は、新暦の7月13~15日(16日までのところも)にかけて行われ、地域によっては旧暦の8月13~15日の日取りで行われています。また、沖縄のお盆は特殊で旧暦に合わせて行うため、毎年、日にちがずれるそうです。2017年は9月3日が旧暦7月13日にあたるため、この日から三日間、盆行事が行われました。

盆行事、ところ変われば

九州・長崎のお盆の風習

「盆踊り」「灯籠流し」は最もポピュラーなお盆の風景であり、日本の風物詩です。
全国にはこれらの行事に加えて、古くから伝わる地域独特の行事が行われています。
長崎県では送り火にあたる8月15日に行う「精霊(しょうりょう)流し」が代表的です。
「灯籠流し」と混同されがちですが、こちらは初盆(新盆)を迎えた故人の霊を、大小様々な「精霊船」に乗せて海まで見送るというものです。故人の家の前から親族らが精霊船を海岸近くまで、小さい船なら抱えたり、大きな船は綱で引いて歩きます。その際、行く道を浄めるために大量の爆竹を鳴らします。凄まじいほどの爆竹の音量ですが、これも長崎県独特の供養のひとつの形なのです。

山形発祥、夏のお年玉「お盆玉」

山形県の一部の地域でお盆の時期に、子どもたちにお年玉ならぬ「お盆玉」をあげる風習があるそうです。近年、その風習がピックアップされ全国に知られるようになりました。端的にいうならば、帰省した孫に祖父母が与えるお小遣いなのですが、古くから定着していたようで、メディアで取り沙汰される前から、その地域にはお盆玉用のポチ袋があったといいます。郵便局でも「お盆玉袋」が販売されるようになっているので、全国的な夏の風物詩となりそうな予感がします。相場は小学生なら1,000~3,000円程度だそうです。

仏壇とお墓参り

仏壇の飾り方

宗派や地域によって仏壇の飾り方は変わるかと思いますが、盆提灯は割と一般的ではないでしょうか。盆提灯は迎え火のような役目で、先祖の霊が迷わず家に戻ってこられるように灯すものです。仏壇の前に真菰(まこも)という敷物を敷いた小机を備え、精霊馬を置いたりする飾りつけもあるようです。
お供え物は自由にという宗派は多いようです。すぐに思いつく供え物は砂糖菓子、果物、お菓子類、故人の好物だったものを供えてあげてもかまいません。
地方によっては、幸せが細く長く続くようにと縁起をかつぎ「そうめん」を習慣的にお供えするところもあります。お供え物にのしをつけてもらう場合は「御供」と書いてもらうのが無難とされています。それと余談になりますが、帰省のお土産は、仏壇にお供えしてからという家庭や地域もあるので、奥さんや旦那さんの実家へ初めて帰省する方は参考までに。

お墓参りアレコレ

お墓参りの仕方も地域や宗派によって違いがあります。広島市を中心とした周辺地域では、盆のお墓参りの際、「盆燈籠」という六角形に組まれた竹の上に、色取り取りの色紙を貼った燈籠を、お墓の前に立てる風習があります。初盆を迎えた故人の墓には白い燈籠を供えるなど、その土地の人にしか分からない決まりもあります。燈籠は時期になるとコンビニの店頭でも販売され、独特の風景がお目見えします。
また、どこのお寺でもよく目にするのが卒塔婆ではないでしょうか。これはお盆の時期だけでなく命日、お彼岸などいつ立てても良いそうです。卒塔婆はサンスクリット語の「ストゥーバ」が語源で、“仏塔”を意味する言葉だといいます。
お盆はその土地の風習や仏教に関することが知れるなど、案外、貴重なひと時かもしれませんね。